左手の指輪は今度こそ、私が幸せになる慎との未来への約束…。

あらたにかけられた指輪の魔法。

一緒にすみ始めて、両親への挨拶は冬季休暇にそれぞれの家に行くことになっている。

順調に進んでいっている私たちは、もはや亮二の結婚式の二次会に参加して、気持ちが揺らぐこともなにかがかわることもあるわけがないのだ。

私も新たな道にすすみはじめているのだ。

「大丈夫だよ、田仲。
ちゃんと心からお祝いできるから。」

笑顔をむけると、田仲は一瞬顔を曇らすたが、すぐに表情を崩して

「そっか。
じゃあ、一緒に祝おうな」

とこの話しは打ちきりになり、これから向かう取引先の仕事の話へと切り替わった。