指輪の魔法がとけた時

「俺がどれだけ指をくわえてみてたと思ってるんだよ。
こんなことならもっと早く強引に迫ればよかった」

「十分強引に迫ってきたでしょ」

呆れ顔の私に

「はっ？
迫ってきたのあすかだろ？
俺をお持ち帰りしたじゃん」

「えっ？
違うでしょ。お持ち帰りしたのはそっちでしょ。
だって慎の家に泊まったんだから」

「ん？そうなるのか。
まっいいだろどっちだって。

さっ支度して飯食いに行こう。
それからあすかの家に行って荷物少し運ぼう」

「どうして？」

「今日から一緒にここに住め。
今月中に引越しだ。
言っただろ？
嫌だって言っても俺のそばから
離さないって。
ずっと離れないって。

昼間の俺は仕事が早いんだ。

本当ほ今すぐにでも婚姻届だしたいくらいなんだが、さすがにそれは順番があるから今日は我慢する。」

「プッ！
本当に強引で仕事早すぎ！
どれだけ有能なの？うちの課長様は」

「仕事ができる男は好きだろ、あすか」

私たちは軽いキスを交わして顔を見合わせて笑った。

こんなに笑って楽しい時間を過ごすのは久しぶりだ。

大丈夫。
私は幸せに慣れる。

慎と手を繋ぎ、私たちは仲良く出掛けて行った。