「俺のことを待っていてほしい。帰って来たら結婚しよう」

一年と言われていた海外赴任は、結局戻ってきたのはそれから三年後だった。

マメにかかってきた電話やメールも、忙しいという理由で段々と彼からの連絡は減っていった。

それでも、私は毎日右手の指輪を眺めて、彼の帰りを待っていた。