物思いにふける柚季に



「お前ケガしてんじゃん」



柚季の肘のかすり傷に、五十嵐がきづいて言う。



「こんなかすり傷。ケガに入らないし」




「あほか。女が傷つくってんじゃねえよ」



五十嵐の手が柚季の腕をつかむ。



「血でてるし」


手をほどこうとする柚季に、五十嵐が言う。


口は悪いけど、このムダにフェミニストなところが


モテるんだろうな。


なぞのタラシイズム。