アンケートをやり直したのが、一週間前。
結果は、十人くらい参加者が増え、パーティーの参加者は五十人程度になった。


どんな仮装がしたいかも聞いて、それはレンタルすることになった。
結構乗り気な相田先生に相談したら、トントン拍子にことが進んだ。


そしてハロウィン当日。


食堂はハロウィン一色になり、仮装した生徒も集まり始めた。


「飾り付けも、お菓子も、準備完了。仮装もいい調子。楽しくなってきたー」


そのとき、開けっ放しのドアからセンセが廊下を歩いているのが目に入った。
俺はセンセが通り過ぎてしまう前に、食堂を出る。


「センセ!」


振り向いたセンセは、俺を睨んでいる。
嫌われたものだ。


「……似合いませんか?」


俺はバンパイアの格好をしていた。
といっても、制服の上からマントを身にまとっているだけだけど。


センセはため息をついた。


「似合う似合わないの問題じゃないの。私は、パーティーに賛成してないから」


センセはそれだけを言うと、俺に背を向けた。


「待って」


嫌がられるとわかっていながら、センセの手を掴んだ。
予想通り、顔を顰めた。


俺はすぐに手を離す。


「……センセ。どうして俺が生徒会長になったと思います?」