「わかってねえなあ。ハロウィンで仮装するのと文化祭で仮装するのは全然違うんだよ」


理解不能という顔をされた。


「まあいいや。楽しいことが多い方が、俺もいいし」


こういうところが、亮介のいいところだと思う。


「パーティーは参加したい人だけ。放課後に仮装して、お菓子交換やら写真撮影やらして、終了。まあ普通だな」
「え、ダメ?」


亮介が見ていた、俺の企画書を取る。
シンプルかつ最高の案だと思ったのに。


「ハロウィンを楽しみたくても、出来てもお菓子交換だけ。仮装したくても、する場所がない。でも、学校で、友達と出来るってなったら、楽しいかなって思ったんだけど」


パックジュースを二つ買っていたのか、また新たにジュースを飲み始めた。


「いや、悪くないと思うよ?ただ、参加したくても仮装の準備ができないって子、いるんじゃね?と思ってさ」
「亮介……」


ヤロー同士で見つめ合う。


「盲点だった」
「……だと思った」


誰でも準備できるわけじゃないって、どうして気付かなかったんだろう。


「とりあえずアンケやり直しでもすれば?」


俺は椅子を倒す勢いで立ち上がった。


「名案だな!亮介、アンケート用紙の準備するぞ。早速明日やり直そう!」