ついつい、先生って呼んじゃうんだよね。


顔を見合わせてクスクス笑っていたら、背中をもたれている方の扉が開いた。


大きい駅だったから、車内の人が降りていき少しだけ楽になる。


そこに、見覚えのある女性が入ってきた。


「あれ、由香里先輩?」


「え、すみれちゃんと桜木先生?」


「おはよう、石野さん」


「わあっ、久しぶりー。え、2人が結婚したって噂聞いたけど、本当だったんだね」


「うん、結婚式も身内だけですませたんです。すぐにお知らせできなくてごめんなさい」


「うんうん、わかってるよ。先生との結婚だもんね。まだしばらくは内緒にしといたほうがいい?」


「い、いえ。大丈夫ですよ」