「ねぇ、梓って………
横山君と付き合ってるの?」

最近よく聞かれるこの質問。

少し前の私だったら…………

『昔のお礼を言いたくて、追っかけてたのに………

彼に申し訳ないって』………思ってた。

だけど席替えがあって、私の体調を心配して保健室に行った時から

その思いが変わったの。

だって…………あの時のこと。

覚えてくれてたんだもん!

それから………

私は彼が好きだって…………気づいたから。

昔と変わらず、ソッと優しくしてくれる彼。

「付き合ってはないよ。
幼馴染みなの。
それに、私達家族を救ってくれた人。
彼氏じゃなくて…………私の片思いなの。」って答える。

無愛想で『怖い』って恐れられてる彼を、好きだと言うと

『ええっ?!』って驚かれ。

その後『スゴい!!』と…………ナゼか感心されてしまう。

私の『片思い』発言は、衝撃的だったらしくて…………

その日の内に学校中に広まった。

あれから3ヶ月。

彼の前だった席は、新たな席替えで終わりを告げたはずなのに………。

担任を始め、クラス全員が私の恋を面白がり??

応援してくれた結果。

とってもイカサマなくじのお陰で………

今度は、私が後ろの席になれたの!

相変わらず不機嫌な彼は。

私の『片思い』発言とそれに伴う好奇の目。

周りのソワソワに

私の好き好きアプローチと落ち着かないらしくて

いっそうイライラしてるの。

ラグビー部員には申し訳ないけど………

それって、ちょっと意識してくれたって事だよね??って

密かに喜んでるの!