その日、その時の移植が、それまでと違っていたかは、正直言ってよく分からない。
卵のランクは5BB。
2つのアルファベットは共にABCで卵の状態の良し悪しを評価するもので、BBって事は、良くもなく、悪くもなくと言ったところ。(=AAが一番良い。)
だから、正直そんなに期待していなかった。
というか、既にいちいち「期待」する事に疲れてしまっていたので、あまり考えないようにしていました。
ただ、それまでと明らかに違っていたのは移植後の身体の火照りとお腹のチクチクした痛み。「あれ?なんか、違和感。なんか、おかしい。なんか、違う、、、」というモヤモヤを胸に秘めたまま、お友達と鰻なんて食べたりして。
(鰻は、食べすぎるとビタミンAだかの過剰摂取になるから妊婦はなるべく控えるように、って書いてあったのを後で知ったのですが、まぁそんな形になるかならないかの時期だからノーカンだろうと。)
あれは移植後、10日目くらいだったでしょうか。鰻屋さんで汗だくだったんですよね、わたし。そんなに暑い店内じゃなかったんですが。いや話が盛り上がって、っていうのもありましたが。それにしても、食べているうちに背中に汗がツツーっと流れていきましたもんね。あれ?おかしいなぁ、って思いました。
で、そのときは食欲旺盛だったんですけど、その後だんだん、、、なんかこう、、日を追うごとに胃がムカムカし出して。 食欲がなくなってきて。
判定日2日前だったんですが、この例えようもない身体の不調に耐えきれず(笑)初めて、フライングで妊娠検査薬を使いました。すんごく、不安だったんです。こんな不調、もし妊娠じゃなかったらそれはそれでマジで病院行った方が良いんじゃ、って。

で、アレです。
表紙のシーンに繋がるわけです。

「尿をかけた検査薬を写メするのどうなの問題」(笑)

ええと、一応写メしました。
お医者さんで見せなきゃいけないかもしれないし。(基本、血液検査するから必要ないんですが)

3年に渡って不妊治療をしながら、実にこの時初めて妊娠検査薬を使ったので(←無駄な事は一切しないタイプ)他と比べられないのが残念なんですが、線が濃すぎて滲むくらいハッキリクッキリ縦線が表れてました。
この、滲むくらいの濃さについては、その後の血液検査で理由が分かりました。

2日後、病院で血液検査をし、表示されたhCG値を見て目が飛び出るかと思いました。
確か、8000を超えていたと思います。
これまでの最高値が50とかだったのに。
はっせん、、、はっせん!?

目を白黒させる私に、先生はかるーく微笑みながら言いました。

「妊娠していると言って、良いんじゃないでしょうか。立派な数値ですよ。」

(むしろ週数の平均値を結構超えててかえって心配になるくらい高い値だった。ありえないけど、双子かと思った。受精卵1つしか戻してないのに。)

この時点では、まだ「おめでとうございます」とは言われない。その後の心拍確認を経て、初めて「おめでとう、よく頑張りましたね、よかったね。」と、言ってくれたのでした。

3年に渡る長い長い不妊治療が、終わった瞬間でした。おめでとう、私。よく頑張った、私。ありがとう、先生。

さて、そんな2018年の11月。
晴れて念願の妊婦となった私は、いきなりアレにぶち当たります。

そう。

つ わ り です(涙)(笑)!

次章から
嬉し恥ずかし妊婦生活に移ります。
よろしければ、
お付き合いくださいませ。