課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~

 やっぱり、居たか、と思いながら、電話を切ろうとすると、父親は、
『まあ、言っといてやらなくもないが。
 相手の娘さんは、もうお前の写真を見て、気に入ってるかもしれないぞ』
と言ってくる。

 いや、写真どころか、本体、見に来てるけど、と思いながら、目の前で寒空の中、ウロウロしている彼女に落ち着かない。

 その可愛さ重視みたいなコート、絶対、暖かくはないよな、と思いながら。

 その間も、
『お前を断るような娘さんは、まあ、居ないと思うけどなー』
という親バカ話はまだ続いていた。

「……もう切るよ。
 心配しなくても、相手は自分で探すから」
と言って、切ろうとしたが、

「でも、まあ、ありがとう」
と付け加えておいた。