課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~

 すると、雅喜は、ああ、という顔をし、カレーを見下ろした。

「真湖がつわりのとき、カレーの匂いが駄目だったからな。
 食べられないと思うと、食べたくなるから、社食で食べてたのが癖になったんだ」

 もういいのにな、と呟いていた。

「真湖りん、つわり、ひどかったですもんね」
と三上が言う。

 確かに……。

 真湖はつわりの期間が、長くて、ひどかった。

「差し入れ持っていくたび、井戸から這い出てきたのかって感じの有り様でしたもんね」
と羽村も呟く。