「いいえ、間違いないです」
と彼女は両の手に拳を作り、真剣に言ってきた。

「羽村さんって、一見、人当たりが良さそうなイケメンだけど、悪い奴だって聞きましたから」

 貴方、そんな感じですっ、と言う。

「あのー……、君、ほんとに僕と結婚する気あるの?」

「あります。
 しないと、おじさんに怒られるからです」

 またなんか訳変わんないのが現れたな~と羽村は思う。

 真湖りんとは、違う方向によくわからない……。

「実は、私、お見合い断られたくなくて、事前に頼みに来たんです」

「意味がわからないが……」