「羽村さん、私と結婚してください」

「なんで?」

「私、貴方、結婚しないと殺されるんです」

 そうなんだ……と羽村は適当な返事をする。

 外見可愛いけど、ヤバイ人かも、と目を合わせないようにした。

「えーと、ところで、君は誰?」
とそのまま去ってくれそうにはないので、とりあえず、訊くと、

「私は貴方とこれから見合いをするものです」
と彼女は言う。

「……いや、僕見合いする予定ないんだけど」
と言ってみたのだが、

「いいえ。
 貴方はこれから、私と見合いすることになります」
と彼女は言い切る。

 予言?

 っていうか、そもそも――
「人違いじゃ……」
と言いかけたが。