いつか、きっと。


二年生になって、また未来と同じクラスになることができた。

私は嬉しかったんだけど、未来は本当にこれで良かったのかと思わなくもなかった。

なぜなら、未来は就職ではなく進学も考えていたようだったから。

進学希望となればクラスが分かれてしまうから残念な気持ちでいたけど、未来は進学を希望しなかったから同じクラスになれた。

何か心境の変化があったに違いない。

「本当は県外に進学できたらよかなって思ったけど、親から県外はダメって言われたし」

「そしたら県内で進学すれば?県内ならよかっじゃなかとね」

「県内じゃ意味のなかけん、もう就職でよか。明日美!一緒に就職してお金貯めて思いっきり遊ぼうで!」

「え?あ、ああそうね。うん、遊ぼうでね」

未来が県外に出たがっていた理由は、田代先輩だ。

先輩は東京の大学に進学するらしい。

未来の話によると、先輩の伯父さんが東京で事業をやってて、ゆくゆくは伯父さんの会社に入社することが内定してるとのこと。

「田代先輩が東京に行ってしもうたら遠恋になるね。そがん話もしよると?」

「うんまあ……。でもさー、離れ離れになったらどうなるか分からんよね?明日美たちはずっと長崎におるとやろ、よかねぇ」

そう、私は就職で友也は大学進学の予定だけど二人とも長崎を出るつもりはなし。

近くに居られるのは嬉しいことだけど、友也の大学生活がどんな感じになるのか気になって仕方がない。

今は男子校だからとりあえずは安心できるけど、大学って出会いの場って感じがするし……。

「友也くん、大学でモテモテかもよ?明日美、しっかり捕まえとかんばいけんね。油断したら誰かにとられるかも知れんばい」

未来まで私を不安に陥れるようなことを言うんだ。

やっぱり私も友也と同じ大学に行けるように勉強頑張ればよかったかな。

だけど友也は私が就職希望だと最初っから決めつけてるみたいだったし、私と一緒に大学に行きたいだなんて思ってもいないだろう。

友也が望まないことは私も望まないことにしているのだから、私はやっぱり就職の道を選ぶべきだ。