いつか、きっと。

「へぇー。生田と未来ちゃんは高校の友達ってだけじゃなかったとか。俺、小学校とか中学とかのダチってほとんど会わんけどな」

ふーん、そうなんだ。

っていうか瀬名くんってあんまり友達いなさそうな感じするけど。

「瀬名くんは家は北部の方だったっけ?N商にも通い易そうだね」

「確かにN商は近かったけん楽やったなー。でも俺も引っ越したっさ実は。元々は南部に住んどったっぞ。みんなよりももっと端っこのほう」

そうなんだ……知らなかった。

南部の端っこって言ったら、もしかして…………?

「なあ、頂上の展望台まで行ってみようで。歩いても登れるやろ多分。食後の運動運動」

友也が張り切ってる。

今日は天気も良いし、お散歩するのも楽しそう。

「ねえ明日美、頂上に行く途中に動物のおったよね?猿とか、あとなんのおるとかは分からんけど、餌ばやったりとかもできるんじゃ?」

未来も歩く気満々みたい。

桜の花びらがいくつか舞い降りてたシートを軽くはたいて直し、みんなでまずは動物を目指す。

駐車場から展望台へと向かう途中にあるミニ動物園。

鹿と猿しか飼育されていないので、動物園というほどでもないけど……。

「二種類しかおらんとね。もうちょっと他の動物もおるとかって思っとった」

「こいやったら諏訪神社の方がもっと動物園らしかよな」

確かに、諏訪神社の隣にある長崎公園にも動物広場がある。

そこには猿だけでなく、ヤギやクジャクなどもいたっけ。

「まあ、動物は山頂に登るついでみたいなもんやし。そいよりもスカイウェイに乗りたかったなー」

「うん私も。高校生くらいまではあったよねスカイウェイ。そうだ!小学生の社会科見学で乗らんかった?未来」

昔を思い出して懐かしくなっていた私に、未来が反論する。

「ちがうよ明日美。社会科見学で乗ったとはロープウェイばい。渕神社のところから乗ったたい。忘れたと?」

あれっ?そうだったっけな。

スカイウェイにも乗った記憶があるけどな……。