いつか、きっと。

「まっまさか!そがん訳なかやろ!」

真実ったらなによ。

自分達の方が仲の良さを見せつけてたくせに。

だめだ興奮しちゃ。

大人の女はもっと落ち着いているものよね。

平常心、平常心……。

「ひゃっ!!なななな、なに!?」

後ろから首筋を撫でられ、ゾクゾクッと身悶える。

「そ、そんがん驚かんでも……。明日美のうなじ綺麗かけん触りとうなった。今日は髪もフワフワ……。パーマかけたと?」

も、もうっ!!

みんながいるのに……。

「うん……。髪ばアップにするとにパーマかけた方が纏まりやすかけんって。でも友也、今ここでうなじ触るとはやめてくれん?」

「なんだ……ちぇっ」

そんなに可愛く拗ねたって、ダメなものはダメ。

だって、他の人から見られたら恥ずかしい……。

誰にも見られない二人きりの場所でだったら、好きなだけ触らせてあげるんだけどな。

左側から感じる真実や京子の視線が、むず痒い。

私と友也のやり取りをニヤニヤして見てるのが分かるから。




式が終わって会場から出ると、すごい人でごった返していた。

見渡す限り、人人人!!

こんなんじゃ、とても写真どころじゃなさそうだ。

人の波に流されそうで、この場に立っているのがやっとなくらい。

身動きできずにいた私の手をガシッとつかみ、グイグイ引っ張っていくのは……。

「明日美、はぐれんごと手ば離すなよ。そいじゃ行くぞ」

「う、うんっ!!」

友也、しっかりと指を絡ませてくれてる。

ものすごい安心感のせいか、さっき言いたかったけど言えなかったことを伝えたくなった。

「今日の友也、いつもよりも大人びてて……カッコいい」

周りがガヤガヤと煩いから、聞こえないのかと思ったけど。

私の声に反応した友也が私を振り返り、なにか言うのかと思ったらそのまままた前を向いてしまった。

繋いだ手に更に力が込められた気がするけど、気のせいじゃないよね?

絡ませ合った指が熱い……。