「あれだけ騒いでたら、嫌でも耳に入ってくるよ」
迷惑そうに肩を竦めた響。
「響さんの学校内でも俺達は話題に?」
「ん。派手な子達はよく騒いでるよ」
秋道の言葉に頷いてそう返す、その顔は自分は興味ないけどと言いたげだ。
本当、響、面白すぎんだろ。
「響さんは、俺達ウルフをどう思いますか?」
「別になんとも思わないけど」
響らしい答えだな。
「響は、俺達を見ても何とも思わねぇんだよな」
少しだけ響との距離をつめて、わざと女好きのする顔でゆるりと口角を上げる。
「ちょっと、どさくさに紛れて近寄ってこないで」
嫌悪丸出しの顔で拒まれた。
分かってた反応だが、ちょっとだけ傷付く俺がいる。
「本当に珍しい。晴成をこんな風に邪険に扱う女性もウルフに興味を示さない人も」
感慨深げに笑う秋道。
「私がウルフに憧れたりしてたら、多分この部屋に入った時点でキャッキャと騒いでますよ」
響にこの場所が幹部室だとは説明してねぇのに、こいつはここが特別なんだと分かるらしい。
「確かにそうですね。そんな人じゃないからこそ、俺達はここへと招き入れました」
響の言葉に頷いた秋道。
「招き入れられた私はちょっと複雑な気持ちだけどね」
ここに来たのがバレたら面倒だと言う顔をしてる響。
本当、感情を隠さねぇ女。
「俺達を見て騒ぐようなバカな女を、俺は気にかける事なんてしねぇ。響きだからだ」
「それも、ある意味迷惑よねぇ」
「どうしてだよ!」
「晴成に、構われてるのを知られたら敵が異様に増殖するに決まってる」
辟易した様に溜め息を吐いた響。
「そんなの俺が響の楯になって蹴散らしてやる。響に向かう悪意は俺が引き受ける」
響を守れるなら、なんだってするに決まってる。
「バカでしょ? 女の妬みや恨みは女に向かうの。晴成が矢面に立ったとしても晴成には向かわない」
バカにしたような目を向けるのは、出来たら止めて欲しい。
「響さんの言うことは一理ありますね」
秋道まで、俺をそんな目で見てくんな。
「まぁ、だから余計な事はしないでよね。迷惑だし」
響は冷たい瞳でそう言い放つ。
「・・・しねぇよ。俺達の繋がりをバレねぇようにすりゃいいんだろ」
「良くできました」
響はにっこりと笑う。
たけど、瞳の奥から伝わる積めたい何かは変わっていなかった。


