旅行先は山の中。

 緑の囲まれた宿で癒される空間。

 
 和室が二部屋並んで、料理も最高に美味しくて、温泉もあって言う事はない。


 小太郎がいなければ…と謙は思っていた。



 夕食を済ませて温泉に入り。


 ペットは部屋に入れずに外にと言われて、小太郎は外でゲージに入っている。


 今の所大人しい。




 お布団も敷いてあり、今夜はゆっくり休めそう。

 
 小作りもできそうだ。


「謙ちゃん…」


 布団に入り、美奈が謙に迫ってきた。

 だが…

 謙は拗ねていた。

 小太郎は連れて来ないと言いながら、結局連れてきた。

 外にいてもアレの時は必ず邪魔をする。

 とてもそんな気分にはなれない!

 拗ねたまま謙は寝たふりをしていた。



「ねぇ謙ちゃん、起きてよ。今日はチャンスなの。ねぇ起きてよ」

 
 知るか! と、謙は寝たふりをしたまま起きなかった。


 犬とどっちが大切と聞かれて、両方と言った美奈。

 だが謙は「子供を作る為に必要だ」と言っていた。


 1人娘だから、何でも思うままにしてきた。

 だから自分がしたいようにしている美奈。


 しかしこの裏切りは、どうしても許せない。


 謙はそのまま眠ってしまい、美奈もあきらめて寝てしまった。




 せっかくの旅行だが。

 美奈のわがままで、結局は謙はストレスが溜まるだけの旅行になってしまった。



 この生活なんとかしたい。


 謙は本気で思た。


 しかし美奈は、また追い打ちをかける事をしてきたのだ。




 旅行から数日後。


 美奈がバイトがない日だった。

「謙ちゃんあのね。小太郎に、奥さん欲しいて思うんだけど」


 はああああああああああああああ????

 謙は怒りが込みがって来た。