それから美奈はバイトがない日は、小太郎をスイミングに連れて行ったり、ドングランに行く回数が増えて行った。


 謙が休みの日は必ず、あのショッピングモールに行き、お昼はフードコートで済ませて、ドックランで遊んで買い物をして帰って来る。


 そんな日々の繰り返しだった。



 週に2日だったバイトは3日に増やした美奈。


 7日ある間3日はバイトで夜はいない美奈。

 あとの4日で小作りの挑戦しようとしたが…。


 いつもアレの時になると、小太郎が決まって邪魔をしてくる。


 無視して続けようにも、時々、寝室のドアを押し開けて入ってきてペロペロ舐められる。


 謙も何度もお尻を舐められたり、時には遊んでほしいみたいにじゃれつかれたりで。


 何度もアレの邪魔をされている。


 こんなん小作りなんてできるわけがない! 


 これんら同棲生活の方が、まだ楽しかったし、幸せだった!



 謙は我慢の限界が来ていた。





「あのさ、美奈」


 バイトがない夜。

 謙は美奈に今の状況を深刻に話そうと決めた。

 
「俺達入籍して、3ヶ月になるよね? 」

「ああ、もうそんなになる? 早いね」

「うん。美奈は20代のうちに子供産みたいって言って、俺と入籍決めたよな? 」

「うん、そうだよ。今でも頑張っているじゃない」


 あれのどこが頑張っているんだ? 

 半分呆れた謙。


「あのさ、頑張っているけど。入籍してから、一度もできていない事、分かっている? 」

「うん…。小太郎が、遊んでほしくなるみたいだから」

「そうじゃなくてさ。俺は、ハッキリ聞きたいんだ」

「え? 何を? 」


 謙はちょっと本気で怒った顔をした。


「俺と犬、どっちが大切? 」


 真顔で尋ねる謙に、美奈はニコッと笑って。


「両方大切だよ」

 と、言った。


 両方って…俺は犬と同類なのか? 

 謙はちょっとショックだった。