美奈のバイトは翌日から始まった。

 夕飯は作り置き。

 今日はカレー…。

 昨日ビーフシチュー食ったばかりじゃないか。

 謙は不満はあったが、バイト前に美奈がせっかく作ってくれた夕飯だと思ってカレーを食べた。



 美奈がいない間、謙は小太郎と一緒に過ごしている。

 
 美奈がいないと小太郎は、ずっとソファーの下にいて寝ている。

 寝るときはゲージの中なので、人が起きている間は自由にさせてあげたいと美奈が言うため、謙もそうさせている。


 大人しく寝ているだけの小太郎に、特に文句はなかった。



 
 美奈がバイトから帰って来るのは深夜1時頃だった。

 帰ってからお風呂に入って寝る美奈。

 謙はとっくに熟睡している。


 小太郎は寝室でゲージの中で寝ている。





 翌日の朝。


 謙が起きた頃、美奈も起きたばかりの様で慌てて朝ご飯を作っていた。

「ごめんね謙ちゃん、今日はちょっと寝坊して。パン焼けたら、マーガリン塗ってね。今、目玉焼き焼いているから」


 バイト初日で遅くまで働いていたから、寝坊しても仕方ないか。

 なれるまでは大変だろうから。

 謙はそう思っていた。





 その日も、美奈はバイトがあり謙が仕事から帰ってきたらいなかった。

 夕飯の作り置きがあったが。

 今日はオムライスを温めて食べてねと…。


 サランラップがかかっているオムライス。

 それを見ると、謙はちょっとやるせない気持ちになった。



 とりあえずお腹もすいているから、レンジで温めて食べるか。


 オムライスをレンジで温めながら、謙は着替えてきた。






 夕食が終わり、ゆっくりソファーに座ってテレビを見ている謙。


 小太郎はソファーの下で寝ている。


 と…小太郎を見て、謙はちょっと違和感を覚えた。

 いつも服を着せられている小太郎だが、何だかその服がとても高級な服の様子。


 よく見るとブランドものだった。


 そして、小太郎のいつも食べている餌を見ると。

「え? 」