そんなわたしのすぐ隣で先輩は


「だからね、春香ちゃん。俺は誰がなんと言おうと運命だって思うんだ」




その時、ふわっと強い風が入り込み、わたしの髪を攫っていき

それを先輩がひと掬いして、髪にちゅっと口づけた。



「っ──」


ドキッと暴れた胸の鼓動。




「俺と春香ちゃんが出会うことは、きっとずっと前から決められていたんじゃないかな。神さまが俺たちに運命をくれたんだと思うんだ」



そんな恥ずかしい仕草をしながら、そんな言葉を囁く智紘先輩が、かっこよく見えてしまったんだ。


……ああ、女の子って、こういう顔や言葉に弱いのかも…。



初めて、

そう、思ったんだ─。