急かされて仕方なく先輩のいるベンチに座る。──と、ポスッと音がして何かと思って見てみれば、先輩の頭がわたしの膝の上に乗っていた。


「え…。ちょっ……智紘先輩!?」

「うん。これなら寝心地よさそう」


満足げにニンマリする先輩。


「あ、あの…」

「べつに何もしないから安心して」

「いや、…そういうことじゃなくて…」


───っていうか、わたしの心臓がもちそうにないんですけど…!


「ち、智紘先輩…っ!」

「なに 春香ちゃん」


───バチッと合う視線。

うわぁ。待って、何これ……。


「…もう、限界なんですけど」


智紘先輩の整ってる顔がわたしのすぐ下にあるってだけで……

な、何なんだろう。

これ、変な感じがする……。