「春香ちゃん以外に優しくする気なんてないよ。だって俺、もうずっと春香ちゃんに夢中だから」

「〜〜…っ」

「ようやく俺の彼女になったんだよ? 春香ちゃんだけを甘やかすに決まってんじゃん」

「いやっ、あの…っ」

「まだ春香ちゃんは俺の想いが全て届いてないみたいだもんね? これからじっくり教えてあげるよ」

「ちょ、…智紘先輩っ…!」


──耳元でそんなことを言われて、落ち着けるはずのないわたしは、ジタバタもがくが、

それを智紘先輩が許すはずもなく、「春香ちゃん」と、耳元で、そう呼ばれ、固まるわたし。