ガラッ── ゆっくりドアを閉める。─と、謎の鼓動がバクバクとわたしの身体を巡っている。 うー……。 怖いな。緊張するなぁ…… 「……春香ちゃん?」 不意に、奥の方から声がして、それにドギマギしながら返事をすると、「おいでおいでー」と声が返ってくる。 一歩近づくたびにドクンッと脈を打つ、その音がさらにわたしの怖さを煽る。 智紘先輩の死角で一瞬立ち止まり、フーっと息を吐くと、また一歩歩き出し、その死角を抜ける。