「ど、して…っ、その子なの!? その子の代わりならわたしにだってできる…!」
「…何言ってんの。」
「だってそうじゃない…! その子よりもわたしの方がきっとうまくやれるわ!」
「意味分かんないんだけど。…春香ちゃんの代わりなんて他の誰かができるわけないだろ」
尚も、引き下がらない沢田さんに呆れ気味の智紘先輩は、
掴んでいた手を引っ張ると、わたしの肩をグッと引き寄せる──
「俺は春香ちゃんがいれば十分。それ以外は何もいらないんだ」
「っ─」
ドキっ──
……ああ、もう…っ
ほんとに智紘先輩はずるい…。



