「──春香ちゃんが俺にとって大切な子だからに決まってんだろ」





その瞬間、

まるでときが止まったかと思った。



周りの風の音も、鳥のさえずりも、木々の揺れる音も、全て聞こえなくて静寂に包まれたようだった。



ただただ、

智紘先輩の声だけがクリアに聞こえた──