怖くて手が震える。
怖くて足が震える。
でも、それを支えてくれるのは、やっぱり“智紘先輩を好きな想い”だった。
「先輩たちが付き合ってると知らずに好きになってしまったのはダメなのかもしれませんが…、でも、わたし悪いことは…してない、です。」
「何言ってんの? 好きになってる時点で迷惑だって言ってるんだけど」
「そ、それでも…!」
「あんたさっきまで怯えてただけのくせに、何でそんな偉そうにモノ言ってるわけ?」
わたしの言葉が彼女さんの逆鱗に触れてしまったのか、さっきよりも怖いオーラを解き放っていて、思わず足がすくむ。



