怖い。 怖くて逃げ出したい。 この想いを失くそうと何度も思った。 智紘先輩のこと忘れなきゃって何度も自分に言い聞かせた。 ──でも、ここで逃げてしまえば、智紘先輩を好きになった想いを自分自身で否定してしまうことになる。 それがどうしても嫌だった。 忘れたくなかった。 「……わたしは先輩の幸せを邪魔しようとは思ってません。ただ、もう少しだけ好きでいたかったんです…。」 「だからそれが迷惑だと言ってるのよ! いい加減気づきなさいよ!」