「あら? さっきまでの威勢はどうしたの?」 「っ─」 「もう怖気ついちゃったのかしら」 ……どうしてわたしばかりが…っ こんな目に遭ってしまうんだろう…。 ……神さまは意地悪だ。 ただ人を好きになって、それが偶然、智紘先輩というだけだったのに… 彼女がいる人を好きになってはいけないという決まりでもあるのだろうか。 片想いすら許されないのだろうか。 わたしの目の前にいる彼女さんが怖くてたまらない。