──って、そうだ。 それどころじゃない!! こんな場面を彼女さんに見られでもすれば、またわたしが付き纏ってると誤解される…! 「わっ、わたし、用事を思い出したのでそろそろ行きます…!」 ─と、走って逃げようとしたら 「逃げんのなし、な。」 そう言って、手を掴まれた── その瞬間、ドキッと跳ねる鼓動。 ……ああ、わたしまだ、智紘先輩のこと……