せっかく話題を逸らせたと思っていたのに、智紘先輩の一言で、また逆戻りしてしまった。
「いや、あの…大和先輩に飲み物を…」
「大和のことはもういいの! それより春香ちゃん、あいつの話ばっかするの禁止」
「…え?」
「…あいつの話じゃなくてさ、目の前の俺のことに夢中になってほしいのに。」
ドキっ──
……先輩、何言って…っ
「春香ちゃんにはいつだって俺のこと考えてほしい」
「〜〜…な、何言ってるんですか! また、そんなこと言って…っ!」
──どうせ、そんなこと思ってないくせに。
心にもない言葉言って女の子をドキドキさせるのが、ただ好きなだけのくせに……



