「…何をですか?」
「ああ、うん。こっちの話。…それより、これ受け取ってよ」
「えっ、でも…」
彼女さんがいる手前、こんなことをしてもらうのも申し訳ないというか…
第一、わたし面倒くさがられてるみたいだし…
ミルクティーを受け取るのを躊躇していると、「春香ちゃんにご褒美だよ」と言って、わたしの手を掴んで手のひらにポンッと置いた。
「春香ちゃん補習頑張ってるでしょ? だから俺からのささやかなご褒美だよ」
──あっ、そうか…。
補習するっていう嘘をついてたんだった。
最近、一気にいろんなことがありすぎてすっかり忘れてしまってた…。



