智紘先輩の本音を彼女さんに聞かされてから、どうやって接すればいいのか分からなくなってしまった。

わたしのことが面倒なら、放っておいてくれた方がどんなに楽なことか……


今は、智紘先輩の傍にいるのが辛い。


できることなら会いたくなかった。


そうすればこんなふうに苦しむことなんてなかったのに──…


一度思えばその感情は収まることなく、次から次へと溢れ出し、わたしの心を支配していく。


「それより春香ちゃん飲み物買おうとしてたんじゃない?」

「…あ、…はい」

「どれで迷ってたの?」


何を買うかで悩んでたわけじゃないんだけど、そう思いながら、「紅茶とミルクティーで…」と呟くと、はははっと笑った智紘先輩。