「まさか春香ちゃんから言ってくれるとは思わなかったから、すっごい嬉しい。……春香ちゃん、改めて友達になろう」

「……はい。よ、よろしくお願いします…。」


テーブルの上におでこがくっつきそうなほど頭を下げると、はははっと先輩は笑った。


「春香ちゃん可愛すぎ」

「なっ……!」

「俺、思ったことしか言わないから、そこんとこ覚悟しといてね?」


今までよりは智紘先輩が苦手ではなくなったけど、やっぱりそういうことを軽々しく言ってしまうところは、まだ苦手みたいだった。



「さ、お弁当食べよ?」


切り替えが早い先輩は、すでにパンの袋を開けていて、“いちごロールパン”のそれに、おいしそうにかぶりつく。


「……智紘、先輩って甘いの好きなんですか?」

「うん。好き」


“パンが好き”って意味なのに、危うく勘違いしそうになってしまうのは、きっと先輩のせいだ。

その笑顔を見ているだけで、やたらとドキドキしてしまうのはイケメン効果というやつなのかもしれない。