「……ちょっと、いろいろありまして…」


昨日の出来事をわざわざ言う必要もないだろうと思い、やんわりと濁した。


「ふーん。ま、俺的には嬉しい変化だからありがたいけどね」

「嬉しい、ですか…?」

「うん。なんかね、頑張ったら春香ちゃん俺のこと友達として認めてくれるかなぁ? って思ってさ」


あ……。そっか。

智紘先輩は、友達になることを諦めるつもりないって言ってたよね。

もし、わたしがそれを認めたら、先輩どう思うんだろう……。


「あ、あの……」


わたし、変わりたいって思ったもん。



「………ち、智紘先輩。…その、友達の件なんですけど……もし、まだよければ…なりたいんですけど」


徐々に小さくなる声が先輩に届いているか不安で俯きたくなったけど、今俯いてしまえば今までと同じだと思い、ギュッと拳を握りしめた。


すると、「春香ちゃん」とわたしの名前を呼ぶ先輩に視線を向けると、温かい眼差しで見つめられる。