チラッと、智紘先輩の方を見ると彼女さんと仲良く並んで歩いている姿があって チクリと痛んだ、心の奥。 ……べつに智紘先輩の隣はわたしの居場所じゃない…。 それなのに二人の姿を見ているだけでモヤモヤと黒い感情が渦巻いて、わたしの心を乱していく。 きっとそんなふうに思うのも、 こんなふうに懐かしむのもわたしだけ。 智紘先輩は彼女がいるから、 わたしのことなんてすっかり忘れているに決まっているんだ──。