「春香、一緒に頑張ってみよう？ きっと、春香なら大丈夫。幼馴染みのわたしが言うんだもん、絶対大丈夫だよ」
「ほ、ほんと……？」
「うん。だって、わたし春香のこと大好きだもん。みんなにも春香の良さ伝わってほしい」
紬ちゃんの言葉が嬉しくて、ギューっと胸が苦しくなる。
“ああ、わたし泣いちゃいそう”、そう思ったけど、唇を小さく噛んでギュッと涙を堪える。
簡単に涙は流しちゃいけない。
強くなりたい、って思ったから。
「……わたし、頑張ってみる。」
今までは、やる前から全て諦めてきて、『わたしはダメ人間』『どうせわたしなんて』そう思って、それを頭に植え込んでいた。
でも、それじゃあダメだよね。
頑張る前から諦めていたら何も進まないし、成長することだってできない。
────そんなのは嫌だから。
「紬ちゃんが背中押してくれたおかげで、わたし、頑張れる」
その時のわたしの言葉はまるで自分のものとは思えないくらい、とても力強く感じた。
