「べつにって…。怪我してるじゃん」 「そ、それは……」 「これどうしたの?」 ドキっ─── 「えっ…と、……さっきつまずいて擦りむいちゃっただけです…」 「そうなの?」 「は、はい。それにそんな大した怪我じゃないので全然大丈夫です…!」 「でも痛がってたじゃん」 「それは…」 何て言い訳をしようか考えている矢先─── 「春香ちゃんは可愛い女の子なのにキズなんて残ったら大変だよ?」 そう言って、わたしの手のひらにチュッとキスを落とした──