「えっ…。」 な、なんでそんなことをわたしに…… 智紘先輩はやっぱりずるい。 ずるい上に残酷な人、だ。 ドロドロと黒い嫉妬が少しずつ流れてくる── 「…で、きると思い、ますよ。」 「ほんとに?」 「…は、はい。」 「うわー、春香ちゃんに言われたら、めちゃくちゃパワーになるんだけど!」 突然、ギュッと手を握り、「ありがとう」と言って笑った智紘先輩。 ドキっ─── 「ちょ、何して…っ! はは、早く離してくださいよ…!」