───さっきの先輩のことが、そんなに好きなんだ…。 チクッ── また、胸が痛い…。 これは紛れもなく、嫉妬だ。 心の中のもやもやがドロドロと黒く変色していくような感覚で、その感情に支配されそうになる── 「……その人のことがすごく好きなんですね」 「えっ…。俺、そんな顔に出てる? うわー、まじで?」 先輩の顔がみるみるうちに赤く染まり、「…恥ずかしいな」と呟くと、頭をくしゃりと掻いて、照れくさそうにする。 ……あの先輩だけが、智紘先輩をこんなふうにさせることができるんだ…。