先輩、これって恋ですか?




「まあ、今回は大目に見てあげる。…でも今度そんなうわさが流れたらただじゃおかないから」

「っ…」



言葉の威圧感とこの場の恐怖で、地面に座り込んだまま、わたしは一度も見上げることができなかった。



「いい? 次はないからね」


その言葉を残したあと、

足音が遠く離れて行く。



それをしばらく聞いていることしかできなくて、


膝の擦り傷よりも

心の方がうんと痛かった。