「だからもう彼に付き纏わないで」
「……わたし、そんなことしてません…。」
ズキズキと胸が痛む。
先輩に付き合ってる人がいたなんて……
しかもそれを本人からではなく、彼女から聞かされることになるなんて───
……わたし、最初から騙されてたの……？
優しく接してくれたあれは嘘だったの……？
たくさん優しくしてくれたのに、それは先輩にとってただの遊びなんですか…？
「今度彼に近づいたらただじゃ済まないから」
……ああ、なんかバカだなぁ、わたし。
騙されていたなんてちっとも気づかなかった。
それなのに先輩の優しさを知って、好きになってしまって……
やっぱり、わたしと智紘先輩の住む世界は違うんだ──。
