「学校には久遠くんのファンがたくさんいるの。うわさなんてあっという間に広がるものよ」
「で、ですから…!」
「影でこそこそ独り占めしようなんて考えている子がいるとはねぇ」
「それは誤解です…っ!」
……ていうか、どうしてこんなことに…!
わたしはただジュースを買いに購買まで寄って、偶然ここを通っただけだったのに───
──そしたら突然この人が現れて。
「大事な話があるの。静かな場所に行きましょう?」
っていきなり話しかけられて連れて来られたし。
わけがわからないままこんな展開になってしまって…!
今だってどういう状況なのかさっぱり……。
だけど一つだけ分かる。
この人が、智紘先輩のことを好きだということ、だ。