「これからあいつが迷惑かけるかもしんないけどさ、よろしく頼むよ」

「え…?」

「あいつ、本気だからさ」

「いや、あの…?」


困惑するわたしを見てクスッと笑った後、「それより春香ちゃん。あれ見て」と言って、指を差したその先は

智紘先輩のいる場所で。


そこから突き刺すほどの視線を感じた。


「あいつ、まじで嫉妬深いから」

「…?」

「覚悟してた方がいいと思うよ」


そう言ったあと、わたしの頭を撫でると教室へ戻っていく大和先輩。

─に、智紘先輩が詰め寄った。


何を話しているのか分からなかったけど、

いつも通り仲の良い二人に見えた。