今まで智紘先輩の傍にいてドキドキするのは、ただ緊張しているからだと思ってたけど…
…そうじゃなかったんだ。
手を掴まれたり膝枕をされたり壁ドンをされたりしても嫌なんかじゃなくて、
むしろドキドキしてしまって。
いつの間にかわたし先輩のことを、好きになってたんだ──。
「……これが、初恋…。」
「ようやく気づけたね、自分の気持ちに」
「えっ……紬ちゃん知ってたの?」
「うん。なんかねー、そうなんじゃないかなぁって気はしてた」
「わたしよりも先にわたしの気持ちに気づいてたんだ…。」
「幼馴染みですから!」
それを聞いてわたしが笑うと、「春香のことなら何でも分かるんだよ」とウインクをして見せた紬ちゃん。



