──そーっと目を開けてみると
「えっ…!?」
智紘先輩に腕を引っ張られたせいで、わたしはベッドに倒れ込み
その結果、
少しだけ先輩に覆い被さる形になった。
少しでも動いてしまえば顔が触れてしまいそうな距離。
「…こ、これはまずい……」
こんな場面をお兄さんに見られたりでもすれば…
って、それよりもまずいのは、智紘先輩がいつ目を覚ますか分からない状況にあるのに、わたしがこんな体制のままだと……
だ、ダメだ!!
今すぐになんとかしなきゃ…!
「…ち、智紘先輩…っ!」
グイーっと腕を引っ張ってみても無意識に掴んだ力には敵わなくてびくともしない。
ど、どうしよう…。



