ダメだ。 どうしても起きてくれない…。 ……だけどこのままだと熱だって下がらないだろうし、風邪も良くならないし…。 ここは心を鬼にして……! 「あの、…智紘先輩!」 大きな声。 と 思いきり肩を揺すってみる。 ──と、その瞬間、腕を引っ張られて 「ぅわっ…!?」 何が起こったのかワケも分からず、ギュッと目を閉じて衝撃に耐えようとする。─が、いくら待ってもどこにも痛みがこない。