先輩薬飲んだのかな…
ご飯は何か食べたのかな…
テーブルに目を向けるけど、それらしきものは見当たらず、ただ飲料水のペットボトルが一本置いてあるだけだった。
……まさか朝から何も……?
「…ゴホッ、ゴホッ…っ」
「あ、…智紘先輩、大丈夫ですか…?」
─と、声をかけてみても反応はなく、スー、スーと寝息が微かに聞こえてくるだけ。
ど、どうしよう…。
無理に起こさない方がいい?
……でも、薬も飲んでないみたいだし……。
「あ、あの、…智紘先輩」
軽く肩を揺すってみても起きる気配はない。
もう一度、名前を呼んでみるけど、「ん〜…」と言うだけで。



