それから5分くらい廊下でぐるぐる回りながら考えた結果、
智紘先輩の部屋の中には入るけど一定の距離を保って無事かだけ確認したらすぐに帰る、という結論に至った。
──のは、よかったものの。
ベッドで横回る先輩の姿は、苦しそうに顔を歪めて汗を滲ませていた。
「…熱、高いのかな。」
おでこを触って確認したい、けど……
さっきのお兄さんの言葉が──
──って、そんなこと気にしてる暇なんかない。
智紘先輩の体調の方が心配だもん…!!
ものの数十秒で自分が決めた結論を破って、先輩のいるベッドまで近づくと
恐る恐る、おでこに触れる。
「……熱い。」
これ、39℃越えてるんじゃ……



