先輩、これって恋ですか?



うー…。

顔が熱い、なぁ…

未だ顔の熱が収まらないなか、お兄さんがわたしの少し前で立ち止まり

パチンっと両手を合わせたと同時に──


「さて、世間話もここまでかな」


そう言って立ち止まると、廊下の左側にある扉の方を指差すお兄さん。


「あれが智紘の部屋だよ」

「は、はい。」

「まあ、寝込んでるから何もできないとは思うけど何かあったら呼んで」

「…はい…?」


言葉の意味を理解できないまま頷いたわたしに気づくと、「やっぱこういうのにも疎いのか」そう言ってはははっと笑った。


「あ、あのー…」

「いや、ごめん。べつに深い意味はないんだけど、あいつも一応男だからさ」

「…?」